糖尿病は死ぬまで治らない病気?

糖尿病は直りますか?

 

はじめに

糖尿病とはどんな病気?

 

医療界の常識には医者が患者さんに絶対に言ってはいけない言葉が存在します。

それは「その病気は絶対に治りません」という言葉です。

患者がこの言葉を聞くと絶望し、治療の進展が妨げられる可能性があるためです。

医者という仕事は患者さんを助けることなので

「患者を絶望させるような言葉は吐いてはならない」という暗黙の了解が医療界にはあるのです。

 

糖尿病には1型とⅡ型があります。

いずれの型でも、糖尿病の治療方法として食事療法・運動療法・薬物療法などがあります。

糖尿病はインスリン不足によって全身の微小血管が冒される病気です。

つまり、「糖尿病は血管病である」ということもできるのです。

 

糖尿病には、網膜症、腎症、神経障害の三大合併症があります。

腎症が悪化すると人工透析治療が必要になることもあります。

俳優の渡辺徹さんも透析治療を受けていたそうですね。

 

食事療法・運動療法・薬物療法などによって血糖値のコントロールを行い、

合併症の予防や進行を抑えることが大事です。

糖尿病は完治する病気というより、生涯にわたって管理が必要な生活習慣病です。

 

糖尿病の増加とその理由

 

現代医学が日々進化しているにも拘わらず、

糖尿病の発症率が減少しない理由は何でしょうか。

その背景として以下の点が挙げられます。

 

– 生活習慣の変化: 

飽食の時代となりカロリー摂取過多の一方で運動不足などの生活習慣の変化が進み、

糖尿病のリスクが高まっています。

小学生の糖尿病も増えています。

 

– 環境の変化: 

IT機器の使用・少子高齢化・共働き世帯の増加やストレスの増加など、

近年の社会環境の変化も糖尿病の増加に影響を与えています。

 

– 遺伝要因: 

糖尿病は遺伝的な要素も関与しており、

家族歴がある場合には発症リスクが高まる可能性があります。

 

このように糖尿病が増加している要因として

生活習慣の変化や社会環境の変化が大きな影響を与えていると考えられます。

 

糖尿病が発症する仕組み

 

糖尿病になる仕組みについて説明します。

糖尿病は身体の中で糖分を正しく処理することができない状態を指します。

この疾患は血糖値のコントロール機能バランスが乱れることで特徴付けられます。

 

人体の血糖値を上げる仕組みは多くありますが、

血糖値を下げる仕組みはほぼ「インスリン」一択です。

インスリンは膵臓のランゲルハンス島の中で製造されます。

もし、このインスリン製造工場が破壊されたり回復不能なほど疲弊したりすると

外部からインスリンを補充する必要が生じることになります。

 

血糖値は血液中に溶けている糖分の値を測定した値です。

血糖値は100という値が最も望ましい数値です(血糖値100で100点満点と覚えましょう)。

 

糖尿病患者の場合は血糖値が異常に上昇してしまいます。

血糖値は高ければ高いほど良いというわけではありません。

異常に高いと毒性を発揮します。

糖毒性という現象です。

血糖値が異常上昇すると、人は生きていけません。

 

糖尿病の遺伝的要素

 

– 遺伝による要素も糖尿病の治りに影響を与えます。

– 遺伝的要素によって糖尿病になりやすい民族がいるといわれます。

– 日本人の遺伝子には糖尿病になりやすい要素が含まれていると報告されています。

肥満しただけで日本人は西洋人に比べ糖尿病になりやすいと言われています。

自分自身の健康に対して知識を身につけ、適切な対策を行いましょう。

 

糖尿病と認知症:血糖値と脳

 

脳は人体の中でもとりわけ重要な臓器であることは言うまでも無いでしょう。

脳の神経細胞は各臓器と相互交信することで、体の機能を制御しています。

脳は血糖などの血液脳関門を通過した栄養を受け取り、それが脳の活動源となっています。

 

脳の神経細胞は糖と酸素を常時必要としています。

血液中の糖分は栄養として脳に供給されます。

糖尿病が認知症の原因になるとの報告が幾つもあります。

認知症にならないためには血糖値管理が必要ですね。

 

糖尿病の治療

 

糖尿病には1型とⅡ型があります。

いずれの型でも、糖尿病の治療方法として食事療法・運動療法・薬物療法などがあります。

糖尿病はインスリンの相対的不足によって全身の微小血管が冒される病気です。

とりわけ1型糖尿病は生涯のインスリン注射が必要とされる病気です。

膵臓のランゲルハンス島のインスリン製造工場が機能しなくなっているからですね。

 

糖尿病腎症が悪化すると人工透析治療が必要になることもあります。

俳優の渡辺徹さんも透析治療を受けていたそうですね。

 

食事療法・運動療法・薬物療法などによって血糖値のコントロールを行い、

合併症の予防や進行を抑えることが大事です。

糖尿病は完治する病気というより、生涯にわたって管理が必要な生活習慣病です。

 

糖尿病の治療は血糖値のコントロールを目指します。

食事療法や適切な運動、薬物療法が一般的な治療法として用いられます。

食事制限はカロリー制限や糖質制限を含みます。

これらの方法によって血糖値を安定させ、

合併症の予防や病状の進行を抑えることが目標です。

 

日本の伝統的食文化は糖尿病を予防する?

 

– 日本は美味しい食べ物が豊富な先進国です。

– 食事の制限も重要ですが、バランスの取れた食事も大切です。

– 日本の食文化を楽しみながら、医学の知識を活用して健康な生活を送りましょう。

 

マクドナルドで毎日のようにハンバーグを食べていると糖尿病になる確率が高まるでしょう。

日本の伝統的食文化は糖尿病予防に役立ちそうですね。

 

血糖値管理の難しさ

 

 糖尿病の治療では生活習慣を変え血糖値を安定させることが重要です。

ここで多くの人が躓くのです。

 食事内容、運動量、ストレス、薬物の効果など、さまざまな要素が血糖値に影響を与えます。

 

– 個々人の状態や生活環境によって血糖値の変動は異なるため、個別に調整が必要です。

– 糖尿病の治療は一生涯にわたって続ける必要があります。

– 適切な食事管理、運動習慣の改善、薬物の適切な使用など、

日常生活の中での取り組みが必要です。

 

– 糖尿病の治療においては、生活習慣の変更や考え方の改善が必要です。

 

まとめ

 

糖尿病は治りますか?

この質問に対する答えは?

答え:→ 糖尿病はカゼが治るように直る病気ではありません。

 

治療は血糖値の管理を中心に行われますが、

その難しさは個人の生活状況や状態によって異なります。

 

糖尿病の治療は生涯に渡った取り組みが求められるため、

患者自身が積極的に対策を行い、

医師との連携を図ることが大切です。

 

この記事では、糖尿病についての背景や治療方法、増加の理由について解説しました。

 

糖尿病は生活習慣の改善や適切な治療によって管理が可能ですが、

一度発症してしまうと完治は難しいとされています。

生活習慣を改善し生きている日の限り、糖尿病と上手く付き合っていくことが重要です。

 

おまけ情報

世界糖尿病デー

世界糖尿病デー(World Diabetes Day、WDD)は世界保健機関(WHO)が定めた国際デーである。

11月14日で、インスリンの発見者フレデリック・バンティングの誕生日に当たる。

国際糖尿病連合(IDF)とWHOが1991年に制定し、2006年12月の国連総会で公認された。

当日は世界各地でブルーライトアップを灯す行事が行われている 。

また世界糖尿病デー前後には糖尿病に関するイベントやシンポジウムなどが開かれている。