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トラベルルールの適用による国内取引所への資金移動方法
はじめに
本記事では仮想通貨のトラベルルールについて解説しています。
仮想通貨のトラベルルールが日本国内において2023年6月9日から適用されます。
この新しい取り決めににより国内取引所から海外取引所への直接送金が制限されます。
海外仮想通貨取引所に保管している仮想通貨はすぐに決済しなければならないのでしょうか。
あるいは海外取引所に置いてある仮想通貨資産が凍結され全く引き出せなくなるのでしょうか。
本記事を読めば対応策がありそうでは無いことが分かるでしょう。
正確な情報を把握し慌てずに対策を取ることが重要です。
トラベルルールとは
– トラベルルールはマネーロンダリングやテロ組織への資金流入対策として、
金融活動作業部会(通称:FATF)が定めた顧客情報の共有ルールです。
– FATFの審査報告書で日本は重点フォローアップ国と評価され、
トラベルルールの適用を求められました。
– トラベルルールが適応されると、仮想通貨取引所は一定額以上の資産を送金する際に、
受け取り人と送り主の情報を共有する義務が発生します。
FATFとは
FATFはFinancial Action Task Force(和名:金融活動作業部会)の略称で、
国際的なマネーロンダリング及びテロ資金供与防止のための規制を策定する組織です。
1989年に設立され現在は37か国と地域が加盟しています。
FATFはマネーロンダリング及びテロ資金供与防止に関する国際的基準を策定・監視することで、
国際社会におけるマネーロンダリング及びテロ資金供与の防止に貢献しています。
トラベルルールが適応されると何が変わるのか?
変化1:送金手順の増加
– トラベルルールの適用により、送金時の手順が増えます。
– 送金主の情報だけでなく、受取人の詳細な情報(取引所の名称、個人の氏名、住所、関係など)を取引所に報告する必要があります。
– 入力した情報は送る側と受け取る側の双方で確認され、共有処理がされなければ送金できなくなります。
– 送金にかかる時間・費用(ガス代)が増える可能性があります。
変化2:海外取引所への送金制限
– トラベルルールの適用されると国内取引所の一部はは海外取引所と直接送金ができなくなると考えられます。
– トラベルルールに対応していない取引所同士は情報の共有が不可能となる恐れがァります。
– 一部の国内取引所でも送金が制限される場合があります。
– 取引所の採用するソリューション(トラストまたはSygna)が違うと トラストを採用する取引所とSygnaを採用する取引所は情報の共有ができず送金処理ができません。
– トラストを採用している国内取引所:ビットフライヤー・コインチェックなど。
海外取引所:クラーケン・クリプトドットコムなど。
– Sygnaを採用している国内取引所:GMOコイン・DMMなど。
トラベルルール回避策
-トラベルルールを合法的に回避する方法があります。
以下の方法を利用することで、トラベルルール適用後も海外取引所から国内取引所に仮想通貨資産を移動することが可能になります。
方法1:取引所の採用するソリューション(トラストまたはSygna)の互換性がある取引所を利用する
– トラストを採用するビットフライヤーやコインチェックから、
互換性あるトラストを採用している取引所に資金を移動させることが可能です。
– GMOコインやDMMなどはSygnaを採用しており、多くの国内取引所と送金が自由に行えます。
– ただし、一部の海外取引所は日本人ユーザーの新規受付を停止しているため注意が必要。
– トラストを採用しているクラーケンやクリプトドットコムなどの海外取引所も一部の国内取引所と互換性があります。
– これらの取引所は現在のところ直接送金が可能な場合があります。
方法2:トークンを利用した資金移動
– トラベルルールの適用前に取引所で仮想通貨を購入し移動させる方法もあります。
– トークンセールやプレセールを利用することで、上場前に資金を移動できます。
– ただし、トークンの売り切れによりセールが終了する可能性があるため、
早めに参加することをおすすめします。
方法3:通知国外の取引所を利用する
– 通知国外の取引所(例:OKEx、KuCoin、Binance)を経由すれば国内の取引所間でも資産の送金が可能です。
– 通知国外の取引所に資金を送金し、そこから目的の国内取引所に再送金する。
– メリット: 直接送金ができない取引所でも利用可能、一部の取引所は手数料が安い。
– デメリット: 送金に今まで以上の時間と手数料がかかる場合がある。
方法4:ウォレットを経由する
– 個人のウォレット(例:MetaMask、Ledger)を利用して送金することも可能です。
– 自分のウォレットに資金を送金し、ウォレットから目的の取引所に再送金する方法です。
– メリット: 個人の資産管理が可能、一部のウォレットは手数料が安い。
– デメリット: ガス代(手数料)がかかる場合がある。
ウォレットのセキュリティに注意が必要。
方法5:ピア・ツー・ピア(P2P)取引を利用する
– ピア・ツー・ピア(P2P)取引プラットフォームを利用して、仮想通貨を直接交換し日本円に変える方法です。
– P2P取引では取引所を介さずに直接売買を行うので手数料がかからない場合があります。
– メリット: 取引所を経由せずに直接資金を交換できるので手数料がかからない場合がある。
– デメリット: 買い手がつかない場合がある。
相手との信頼関係が必要(詐欺に注意)。
以上の方法を組み合わせることで、
トラベルルール適用後にも自由に仮想通貨資産を移動させることができます。
ただし、それぞれの方法にはメリットやデメリットがあり注意が必要です。
適切な方法を選択し、資金の移動を慎重に行いましょう。
※本記事は投資を薦めるものはありません。
投資は自己責任で行うのが原則です。
自分で十分に調査してから賢く行動してください。